可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 もちろん、はじめはレモラが入力しようとした。しかしできなかった。

 貰ったときに説明をされたのだが、どうせルシアがやるのだからと真面目に聞かなかったつけがまわった。しかも、取説も見つからない。

 レモラはスケジュールの入力装置をミゼルの前に置いた。

 実用性だけを考えられたシンプルなタイプライターのようなものだ。

 これで、予定を入力すると腕時計に転送される仕組みなのだ。

「これで、予定を入れておいてくれ」

「え! 私、使い方、知らないですぅ。それに、時計、止まるんですよね? 使わなくたって……」

「うるさいな。止まらないときは使えるんだ。この部屋のどこかに取説があるはずだ。探して持っていってもいいぞ」

 ミゼルはレモラの部屋を見回した。
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