可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「ルシアがいた頃は、部屋だっていつも片付いていた。君は俺が来るまでこの部屋でなにをしてたんだ? 暇だったなら片付けでもしてればいいだろ?」
冷たい目線を向けられ、ミゼルは俯く。
「……だって……、そんなの、メイドの仕事です」
「あの腕時計は秘密の時計なんだ。俺の部屋にはそういう機密がいっぱいある。そんな大切なものをメイドなんかに見られたらどうする? 勝手に特許を出されたら困るだろう! それに、あの時計の存在が世間に知られたら、俺が時計を頼りに生きてきたと思われるじゃないか!」
(事実、そうじゃない!)
ミゼルは思ったが、言い返すことはできない。