可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
(でも、やらなきゃ捨てられちゃう。お継姉様のように……)
簡単に捨てられたルシアを思い出し、ミゼルはゾッとした。
今日、相談に来ている男爵令嬢は、魔導具の販売などを手がける家門で金持ちだ。
ジューレ侯爵家にしてみると悪い相手ではない。
(でも、今のファクト子爵家はどう? 誰も魔導具の管理ができない……お継姉様……ううん、せめて、お父様が戻ってきてくれたら……)
ミゼルは思いギュッとタイプライターを抱きしめた。