可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「くっそ! 反抗的な愚民どもめ!! 粗悪品の魔晶石ばかり渡しやがって、だから掘削機が直らないんだ!!」
レモラは悪態をつきつつ、交換したばかりの魔晶石をボダ山に投げ捨てた。
夕日がドンドンと傾いてくる。荒々しい鉱山は不気味な影を落としていて、レモラはそっとした。
「さっさと直して王都へ帰りたいのに! クソ! クソ!!」
レモラは荒れていた。
掘削機の故障は魔晶石が原因ではないのだが、レモラはろくに調べもせず、魔晶石の交換ばかり繰り返した。
ボダ山に捨てられた新品同様の魔晶石は、むなしく魔力を放っていた。