可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 それをウルカヌスが通訳した。

<どうやら、ヒベルヌス王国で山火事らしい。鉱山のカーバンクルが遭難声(ディストレスコール)をあげている>

「ヒベルヌス王国で山火事ですって!」

 ルシアはカイルに告げ、慌てて窓から鉱山を見た。

 すると、ヒベルヌス王国のほうから、煙が上っているのが見える。まだ、火の手は見えないが時間の問題だろう。

 カイルは皮エプロンを外し、慌てて外へ飛びだした。庭に繋いであった馬に乗る。

「ルシアは逃げて! 僕は自警団に知らせて、領主様へ助けを求めてくる!」

 カイルはそう言うと馬に乗って駆けだしていった。
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