可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「でも! 私ひとり逃げるなんてできないわ」
ルシアは魔導具のスプリンクラーを取り出した。
「ニィ! これを工房の屋根に設置して! ホースに繋いで」
「うん!」
「バンク! 逃げ場のないカーバンクルに、工房へ来るように言ってくれる?」
「キィ!!」
ルシアはそう言うと皮エプロンを脱ぎ、動きやすい格好に着替える。
髪は小さくまとめ、帽子を被る。