可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
なぜなら、カイルは今まで宮廷の仕事に興味を示していなかったからだ。それなのに、隠しきれない能力があるカイルのことを、シグラ国王は期待していた。
できるなら、王族としての責務を果たしてほしいと願っていたのだ。
しかし、本人はノラリクラリとかわしていたため、半ば諦めていたのである。
(やっと、カイルもやる気を起こしたか)
シグラ国王は嬉しくなった。
「そうか、カイルがやってくれるか。お前は王家の名が重荷なのだと思っていたよ」
そういう父を、息子は真っ直ぐに見つめた。