可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「良い娘ではないか。ドワーフの姫もべた褒めに褒めていた。彼女があれほど人間を褒めることはない。しかも、カーバンクルまで懐いているのだろう? あの動物は人にはなかなか懐かないものだ。魔導具のことは詳しくないが、彼女が素晴らしい人なのはわかる」

 シグラ国王に言われ、カイルは顔を上げた。

 花咲くようなカイルの笑顔に、シグラ国王は目を眇(すが)める。

(この子のこんな嬉しそうな顔を見たことはあっただろうか。この笑顔を作るのがルシアという娘なのだろう)

 シグラ国王は感慨深い気持ちになった。
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