可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「組み立て方が違っているのかな? それとも機構的な問題じゃないのかしら……」

 最後にウルカヌスの宿る宝石を嵌めようとして、部品入れから取り出した。息を吹きかけ、柔らかい布で優しく磨き、太陽に透かしてみる。

 今までは気がつかなかったが、プルシアンブルーの石の中に、青い光の帯が瞬いた。

「まるで夜の海に月光の帯が落ちているみたいに綺麗ね」

 思わずオーラをまとい戦うカイルを思い出す。
< 304 / 458 >

この作品をシェア

pagetop