可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「今度はこの光の帯が前面に来るように設置してみようかな。帯を縦にしたら、本当に猫の瞳みたいで可愛いかも」

 ウルカヌスが宿っている宝石は、魔晶石ではない。しかし、普通の宝石かと言えばそうでもない。ルシアが見たことのない石だった。

 太陽の光を当てていると、プルシアンブルーの石はほのぼのと光をまといはじめた。

「? もしかして、自然の魔力を吸収しているの? ウルちゃんが実態を持てないのは、魔力不足が原因だったのかな?」

 ルシアは思いついた。そして、ウルカヌスをペンダントにはめ込む。

 部品入れ箱に入れ、蓋を開けた状態で太陽の日差しが差し込む窓辺に置いた。
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