可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「また面白い話かもしれないわ、開けてあげましょ。ニィは工房のほうにいっていて」
「はぁーい」
ルシアはニィが工房に行くのを確認してから、店のドアを開けた。シグラ王国の関係者なら安全だと判断したのだ。
「お久しぶりです」
ルシアがにこやかに挨拶をすると、眼鏡の男は不愉快そうに切り出した。
「山火事を消した空飛ぶ魔導具をお前が作ったというのは本当か」
「はい」
答えを聞いて、チッと舌打ちをする。どうやら、いまだにルシアの力を認めたくないらしい。