可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

■ ■ ■

 カイルは魔導具工房に戻って驚いた。机の上には、ルシアの文字で書き置きが残されている。

『探さないで』と書かれた青い紙を持ち、カイルは呆然とする。

「カイル……ごめん……」

 暗い部屋の隅では、傷だらけのニィが泣いていた。ルシアの緑のスカーフを抱きしめている。

「ニィ! どうしたんだ!?」

「カイル~!!」

 ニィはカイルに泣きついた。
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