可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「いえ、私は婚約破棄しましたので……。次期侯爵夫人はミゼルでしょう?」
ルシアが答えると、ジューレ侯爵はレモラを睨んだ。
「愚息が君を傷付けたようだが、本意ではなかったのだよ。それが証拠に、婚約破棄を破棄して、君を正妻に迎えようとしているじゃないか」
「……正妻……?」
ルシアが小首をかしげる。
「ああ、あの役立たずのミゼルは妾が相応しい」
侯爵が当然のように言い、ルシアは呆れた。