可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「取ってないし、いりません。どうぞそちらで引き取ってください」
ルシアは思わず答えた。
レモラがルシアを睨む。
「まぁまぁ、昨日の今日で突然言われてルシアも気持ちが追いつかないのだろう。レモラがルシアを裏切ったのは事実なのだから」
侯爵がそう笑い、レモラの肩をギュッと掴んだ。そして低い声で言う。
「レモラ。きちんとルシアに誠意をみせなさい。わかったな?」
念押しされて、レモラは冷や汗を掻き頷いた。