可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 ルシアはゾッとしつつ、ファクト子爵が自分の味方で良かったとホッとした。

 その反面、その能力をはじめから使っていてくれれば、このようなことにならなかったのにとも思うのだ。

「お父様……。お父様はやればできる子なんですから、なんでいままでちゃんとしてくれなかったんですか」

「ごめんね。ルシア。でも、私はジューレ侯爵家を信頼していたんだよ。私がきちんと仕事をすれば、ファクト子爵家を守ってくれるってね」

「お父様は事務仕事や社交がしたくなかっただけでしょう?」

「……まぁ、否めないが……」

 ファクト子爵はポリポリと頭を掻いた。
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