可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
10.ルシアの魔導具工房へようこそ!
ここは、シグラ王国セファ領プラオット村である。
ルシアはその後、ここルシアの魔導具工房へ帰ってきていた。
カイルのプロポーズは受け入れたが、すぐに結婚するわけではない。
ジューレ侯爵家が起こしたさまざまな問題ごとが整理されるまでは待ってほしいと、ヒベルヌス国王から頼まれたのだ。
また、ルシア自身がプラオット村での生活を気に入っていた。もう少しのんびりとした生活を楽しみたいというのが、カイルとの総意だった。
ルシアとカイル、それにニィとバンクの四人は、松脂の香る工房室にいた。
ニィはルシアのスカーフを正式にルシアから貰い、誇らしげに首に巻いている。バンクとふたりで、松脂を使い魔晶石を磨いている。