可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「そういえば、落ち着いたらこれを見てほしいと思ってたんだ」
カイルは母の形見のペンダントを取り出すと、ルシアに見せた。
バンクはクンクンとペンダントの匂いを嗅ぐ。
「ウルカヌス様のペンダントと歯車が入れ替わったペンダントなんだけど……。ウルカヌス様は直ったようだけど、僕のペンダントは壊れたままなんだ。もし知ってたら制作者を教えてくれない? 修理を頼みたいんだよ」
カイルは期待を込めた目でルシアを見た。
憧れ続けてきた天才魔導具師の所在がわかるかもしれないのだ。
ルシアはそれをしっかりと見るのは初めてだった。