可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
ルシアが七歳の頃だ。母が持っていたウルカヌスのアーティファクトをオーバーホールした際に、同じものを作ってみたいと見よう見まねで作った物だ。
もちろん同じようにはできなかったが、七歳にしてルシアはその才能を開花させた。
ルシアがオーバーホールしたことで、ウルカヌスは永い眠りから目を覚ましたのである。
「きっとそのときに、あの歯車を入れ間違えちゃったのね」
オーバーホールする前は、ただの壊れたアーティファクトだったウルカヌスのペンダント。
ルシアは古代の技術を再現してみたくて、細かくバラし、すべての部品を真似して作ったのだ。
ジューレ家での騒ぎの際に明らかになったのだが、どうやら組み直す際に、部品の一部が入れ違ってしまっていたらしい。