可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「大事って……」
ルシアは床に突き飛ばされ、呆気にとられる。
父がいた頃は優しかったローサ。ルシアも父もローサに感謝し信頼していた。
しかし、父が行方不明になってから彼女は手のひらを返し、ルシアをイジメた。
家族との食事には呼ばれず、ひとり粗末な食事を部屋で摂っていた。
使用人のやるような仕事も、ルシアに押しつけた。
邪魔者扱いされ、ルシア宛ての贈り物はもちろん、彼女が作った魔導具も搾取されてきたのだ。
「今まであれで大事にしてたっていうなら、これからはもっと酷い目に遭うのかしらね」
ルシアは大きくため息をついた。