可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 ガンガンとドアを封じる音が響いてくる。

「まぁ、魔導具の仕事は私しかできないから殺すことはないでしょうけれど。当分のあいだは監禁かしら」

 ルシアは呟くと、クローゼットの中に隠されていた魔導具の箱を開けた。

 この魔導具は保冷機能がついており、食べ物が保管されているのだ。

 度々食事を抜かれるため、ルシアがこっそり用意していたものだ。

 ルシアはその中に保管していたレモン水を一気にあおる。

 すると、ペンダントがほんのりと光った。

<ルシア、大丈夫か? (わし)が古代の力を取り戻せれば、お主を連れてここから逃げ出せるのに>

 悔しそうに火の精霊ウルカヌスが呟く。

 ルシアは笑った。

「ウルちゃんと話ができるだけでも奇跡なのよ? 私はウルちゃんがいてくれるだけで心強いわ」

 ルシアはそう囁いてペンダントを撫でた。

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