可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「でも、あのカイルって子。ちょっと素敵だったわ。……レモラ様より素敵な靴を履いていたし……」
ミゼルがカイルを思い出しうっとりと目を細める。
「でも、しょせん平民でしょ?」
ローサが鼻で笑う。
「でもぉ、平民だけど、お継姉様にはもったいないと思うの。だってぇ、留学できるほど頭がいいし、お洋服のセンスも良くて、きっとお金持ちよ」
ミゼルが言い、ローサも頷く。
「いわれれば、ジューレ侯爵家よりも豪華な馬車でやってきたわ。たしかに、ルシアにはもったいないわね。それに、ルシアがすぐに別の男と婚約したとなったら、ジューレ侯爵家はどう思うかしら?」
ローサは計算する。