可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
しかし、ウルカヌスは鼻で笑う。
<それはどうかな?>
ウルカヌスの言葉を怪訝に思い、村の様子をよく見てみる。
村の人々は、やつれ疲れ果て覇気がなかった。衣類も住居も粗末だ。もう、盛りを過ぎた鉱山だからか、持っている魔晶石の原石も小さい。掘削の作業中に怪我をしたのだろう、体の一部を失った人たちが道ばたに転がり物乞いをしている。
村を歩く野良犬もやせ、あばら骨が浮き出していた。
全体的に重く空気が立ちこめて、みな暗い顔をしている。夢も希望もない、そんな感じだ。
「どういうこと? ジューレ侯爵家はこの村のおかげで財を得ているというのに、どうして領民がこんな暮らしをしているの?」
ルシアは憤る。
<さあ?>
ウルカヌスは興味がなさそうに答えた。