可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
ルシアが暗澹たる気持ちで、未来に思いをはせていると、馬車が突然止まった。
「どうしたの?」
「馬車の調子が悪く……村に戻り助けを呼んでまいります。しばらく馬車の中でお待ちください。すいません……すいません……」
そう言って、馬車から馬を外し、逃げるようにして馬に乗っていってしまった。
ルシアは馬車から降りて、様子を見てみる。案の定、馬車は壊れていなかった。
「捨てられたのかしら?」
<そのようだな>
ルシアが言えば、ウルカヌスが答える。
ルシアはグーンと大きく伸びをして、深呼吸した。
「やったー!! これで自由よー!!」
右手の拳を突き上げる。