可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「ルシア、魔晶石、持ってきた!」
ちなみに魔晶石とは、魔力の結晶でできた鉱石で、魔導具の動力となるものだ。魔晶石の魔力が枯渇すると、魔導具は動かなくなる。定期的に入れ替える必要があるのだが、高価な物だった。
ジューレ侯爵家は、魔晶石の鉱山を持っているため、魔導具に関して絶大な影響力を持っているのだ。
「ありがとう。ニィ!」
「ルシアのためだったら、オイラいつでも手伝うよ!」
ニィは、元気いっぱいに答えた。
ひたむきなニィの様子にルシアは癒やされる。
「前のファクト子爵夫人がいた頃のほうがよかったな。それから、子爵もいなくなって、どんどん屋敷の雰囲気が悪くなっちゃった……」
ニィが零し、ルシアは苦笑いした。