可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「しかたがないわよ。病気だったんだもの。それに、お父様は社交に興味がないから、ローサ様がいらっしゃって助かっているんじゃない?」
「えー? あの人、社交にしか興味がないじゃん! 家のことは全部ルシアに押しつけて、魔導具のことなんか、これっぽっちも興味がない。それに、オイラにクッキーの一枚もくれたことなんかない! なんであんなヤツを夫人にしたのかオイラにはわかんない!」
ニィはプンスコ怒っている。
「まぁ、お父様は魔導具以外のことには無関心だから、深く考えずにジューレ侯爵家に押し切られたのでしょうね」
ルシアの母は、彼女が十歳の頃に亡くなってしまった。
ジューレ侯爵は、男親ひとりでは娘を育てられないだろうとファクト子爵にローサを紹介した。
ローサはジューレ侯爵家の遠縁で、子連れで実家へ出戻って来たところを、ちょうどやもめとなっていたルシアの父に体よく押しつけたのだ。