可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
継妹にあたるミゼルは、ルシアと同じ歳だ。同じく王立学園に通っている。
しばらくは仲良く暮らしていたが、二年前、ファクト子爵が行方不明になってから状況は一転した。
はじめは優しかった継母ローサも、ファクト子爵が行方不明になってからはルシアをあからさまに邪魔者扱いした。
執事をはじめとするルシアと仲の良かった使用人たちは、父が行方不明になったとたん解雇され、彼女は孤立していた。
魔導具を扱う家門だというのに、今、一家でまともに仕事ができるのはルシアひとりだけだ。
「この家で私の味方をしてくれるのはニィだけね」
そうルシアは呟いた。
<そんなことはない! 儂もルシアの味方だ!!>
ウルカヌスが抗議する。
「そうね、ウルちゃんもいたわね。ウルちゃんを欲しいってミゼルに言われなくて良かったわ」
ルシアは笑う。