【完結】養ってやるかぁ!!公園で出逢った無職男子が……まさかまさかの、そのまさか!?
はじめて
記憶が途切れ途切れだが、覚えているのは最高の快楽。
コンビニでは買わなかったけどストックがあったし、最初は彼が持っていたゴムを使った。
それで……何回ヤッたんだろう、と思うが数えられない。
何度も何度も絶頂した。
「はじめて……って言ってたのに、私……何回イかされたっけ」
腕に抱かれたまま、雪子はつぶやく。
遊び人ではないが、恋人もいたし数人との経験はある。
久しぶりの行為ではあったが、あんなに感じさせられたのは初めてだった。
「……最強童貞くん……」
「ん……おはようございます」
ドキッとした。
乱れた髪が色っぽい。
「雪子さん、身体は大丈夫ですか?」
「あ、う、うん……始(はじめ)くんは……大丈夫?」
長男らしい名前。
キスをして絡み合ってから名前を聞いた。
何度も呼んでしまった。
あんな体験は初めてだ。長年付き合った恋人とも、あんな風に乱れたことはなかった。
「俺は大丈夫です……俺のほうが貴女がその、とても素晴らしかったので夢中になってしまって……」
「ふふ、なにそれ」
育ちはいいんだろうなぁと笑ってしまう。
ベッドの中でも、彼の愛撫はとても丁寧だった。
「私も、すごくよかったよ」
胸元なので、彼の顔は見えなかったが笑ったのがわかった。
頭の上に転がっていたスマホで時間を見ると、平日の昼過ぎだ。
「あ~ちょっと焦ったけど~無職だもんね」
「そうですね……気にはなりますが、俺がいなくてもどうにかなる」
「みんな社会の歯車だもんね……」
「そうですよ、代わりはいくらだって」
裸のまま、抱き合った成人男女が社会を嘆く話をしている。
少し酒が残っているし、激しい運動もたくさんしたのでダルさもある。
でも始の腕のなかは心地よい。
彼は筋肉質で腹も割れて、良い体をしていた。
それも両親の言いつけなんだろうか?
まさか性技まで教え込まれて……などと考えてしまう。
つい彼の胸元をまさぐってしまった。
「ちょっと……雪子さん……?」
「もう一回しよっか……」