俺と婚約してよ
今の私には、
もう、立場が違うからこそ。
(大河くんに話しかける資格はない......っ、)
そう思って、
グッと手に力が入ったとき。
「い゛っ、」
──────パリンッと。
鉢が割れる音がした。
やばいっ、手に力を入れすぎたっ!
そう思った時には、遅くて。
「風子のアホ」
そう言って大河くんは、
私の手を、無理やり引いてきた。
違う、こんなの..................ダメっ。
〝立場が違うからこそ〟
大河くんから離れなきゃいけないっ。
もう、2度と関わっちゃいけないんだ。
その気持ちが爆発して........................
「っ、ぅ、.........先輩!
私にもう構わないで下さい!!」
私は大河くんを突き放すようにそう叫んで、
園芸委員の、作業中だと言うことも忘れて。
その場を、
──────逃げるように去った。