俺と婚約してよ
そこには、ドアの下の隙間から、
入れられたと思われる小さなメモ用紙。
四つ折りに折られたメモを開けてみると。
[風子のタイミングでいい、ここ来て]
昔よりちょっぴり、
上手になった、大河くんの文字。
ご丁寧に住所まで書いてあるけど.........
「...............いったい、何があるんだろ」
しかも、
〝風子のタイミングでいい〟なんて。
大河くんの無理やり過ぎないところ.........
「.........ふふっ、昔から変わらないなっ」
私はそう呟くと、
ほぼ無意識に出かける準備を始めた。
大河くんの示した場所に行くと、
──────何があるのかも分からずに。