俺と婚約してよ
ビックリしたけど、
花束を受け取って、花束を見つめていると。
「風子に〝婚約して〟って言うの、
どこで言うか、俺、凄く考えた」
ゆっくり話し始めた大河くん。
「今は立場も違うし、
風子が傷つくことだってあるかもしれない
だけど.........俺には風子だけだから、」
大河くんはそこまで言って言葉を止めると。
「俺に一生風子のこと、守らせて。
風子の、ヒーローは俺だけがいい」
私の目を見て、真っ直ぐ言う大河くん。
「〜〜っ、ぅ、ばか!
大河くんは、ずっとヒーローだよ‼︎」
初めて、大河くんに、
直接言った、〝ヒーロー〟の言葉。
養護施設に来たばかりのとき、
クラスの男の子にからかわれた時も。
果耶ちゃんや、クラスメイトのいじめからも。
どんな時だって、大河くんは守ってくれた。
「っ、風子もっかい聞く。俺と婚約してよ」
「っ、ぅ、大河くんしか考えられないもん!」
色んなことがあったけど、
大河くんが守ってくれる大河くんの隣で。
──────この先も、生きていくんだ💐
fin.