俺と婚約してよ
元々、同じ養護施設にいたとしても。
元同居人だとしても.....................
古関先輩は。
ううん。大河くんは.....................
──────遠くなった同居人。
そう実感せざるえない光景。
だからね、
もう、近づいたりしちゃいけないから。
クラスの女の子達含めて、
沢山の女の子達が、古関先輩を囲むなか。
私はゆっくり教室の中に戻ると。
「..................っ、気づいて、」
誰もいない教室で、
そう呟いて自分のカバンを取ってから、
古関先輩たちがいる場所を避けるように。
裏階段を通るルートで、私は廊下に出た。
きっと、大河くんも、クラスの女の子達も、
誰1人として、私の存在に気づいてないから。
〝気づいて欲しいっ、〟
今日も、その気持ちを、
胸の奥底にしまって、学校を後にした............
でも、まさか、
大河くんだけは気づいていたなんて。
私が気づくのは、
──────もう少し先の話し。