先輩!
ふわっふわな手触りで、色もデザインもかわいい。種類はウシ、ウサギ、ハリネズミ。それからヒツジ。

しばらく触った先輩が、名残り惜しそうにそれを元に戻した。

あ。そうだ!


「先輩、ピアスもうちょっとだけ見ていいですか?」

「ああ、じゃあ俺人多いし外出とくわ。ゆっくり見たらいいから」

「はい。ありがとうございます」


背を向け店を出る先輩を見届け、しめしめと先ほどのクッションを手に取った。会計を済ませ、雑貨屋の出入口近くの壁にもたれて立っている先輩に駆け寄った。

先輩、喜んでくれるといいな。


「先輩お待たせしました。さっきはまくらありがとうございました。これお礼です」

「え?」とショッピングバックに目をやる先輩が警戒する。

「どうぞ」と無理やり手渡し先輩の反応を楽しむ。
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