先輩!
近くのベンチに座って待ってくれていた先輩の隣に腰を下ろした。

「先輩、」

「ん?」

「あの、アレになっちゃいました」


アレがなにかすぐ察した先輩が「大丈夫か?」と心配してくれる。


「ごめんなさい。楽しみにしてたんですけど、今日のお泊まりは中止ですね」

「なんで?」

「だって…できないじゃないですか」

「それ本気で言ってる?」


あ、先輩が怒ったときの声だ。会社で誰かに注意してた時聞いた。

普段よりさらにワントーン低い声。顔だって、冷静なんだけど目が怒ってる。
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