先輩!
ふたつ並べたまくらに頭を乗せて、お互い向き合って。首の下にできた隙間に、先輩が腕を入れて腕枕をしてくれる。

シングルベッドに大人2人は狭いけど、こうして先輩に抱きしめられて眠るのは、全然窮屈に感じない。


「今日はこのままどっちかが寝落ちするまで話するか」

「いいですね」

「なにか喋って」

「えーむちゃぶり」

「営業で培ったトーク力試してやるよ」としっかりプレッシャーをかけてくれる。


「今日のご飯すごく美味しかったです。料理得意なんですね」

「うーん、生活に必要だから始めたことだけど嫌いじゃないな、身体は食事でできるし。今日は芽衣も食べると思うと作り甲斐があった」

「わたしより絶対料理上手です」

「今度は食わしてな。手料理」

「期待しないでくれるなら」
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