先輩!
「もう大丈夫です」

今日はなぜかいつもより痛みが強くて、薬がなかなか効かなかった。

でもそれを隠して過ごしていたら先輩にバレて、そんな無理するんだったら帰ると怒られたのだ。


「今日みたいな日は外回りキツいだろ。男ばっかりで言いにくいだろうから、今度からは俺に言ってな」

「はい、ありがとうございます」

「芽衣はがんばりすぎなんだよ。手を抜くこと覚えないとキツいぞこの先。やる時はやる。しんどい時は無理しない。今日何も獲れる気しないって日あるだろ?あんな日はもうやめたらいいんだよ。とっとと帰って酒でも飲んでリフレッシュして、また明日がんばろうでいいんだよ」

「手の抜きどころがわからないんです」

「それが芽衣のいいところなんだけどな」


暖かくて、ぽわぽわする。睡魔に負けそう。もっと先輩と話したいのに。


「また泊まりに来てくださいね」

「うん」

「今日楽しかったです。翔くんの新しいところがいっぱい知れて、好きが増えました」

「ん、俺も。芽衣眠い?」

「ううん。まだ話したい」

「かわいいな、眠いくせに。おやすみ」


幸せな一日の終わりに。


先輩の熱に包まれながら、先輩のキスで眠りについた。
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