先輩!
「あの人たちに聞かれたんです。バレンタイン先輩にあげたの?って。どういう意味なんでしょう」

「ああ、俺今年は誰からのも受け取らなかったからだと思う」

「そうなんですか?」

「芽衣からもらった2個だけ」

「取引先はどう言って断ったんですか?」

「社の方針で今年から受け取れないことになったんです。すみません、お気持ちだけ」

先輩が、その時のことを再現してくれた。心が痛む。先輩とまだ付き合ってなかったけど、同期にもあげたし、お礼チョコを結構配ってしまった。


「わがまま言っていい?」

「はい。なんですか?」

「バレンタイン制度、今年で卒業して?俺以外の」

「うん。する」

「ん、」


職場なのに、先輩にキスしたくてたまらない。早く先輩の家に行って、2人きりになりたい。

だって先輩が、あんなに男らしくてこんなにかっこいいのに、かわいい。我慢できない。

わたしのことをすごく大切に思ってくれてることが感じられるし、きちんと言葉でも伝えてくれる。
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