先輩!
「この前のアレ作ってな」

「えーっと、和食?」

「それ俺だろ作ったの」

「今日の白ネギとベーコンのパスタも美味しかったです。夜中だからちょっとしか食べれなかったから、明日のお昼また作ってくださいね」

「ごめんな。せっかく今日外で食べようって言ってたのに」


先輩はわたしを無力化させたのに「腹減った!」と大盛りパスタをペロリと平らげたのだ。

サラサラと、先輩の指が髪の毛を滑る。もっとしてくださいと、身体を擦り寄せる。


「おおかみ先輩が発情しちゃったから」

「食べられたがったのは芽衣だろ」

「えー違うよねー芽衣ヒツジ」

クッションを抱きしめると先輩に取り上げられた。


「俺を抱きしめてよ」

大きなおおかみ先輩が甘えてきた。愛しくて愛しくて。

「芽衣、好きだよ」

「わたしも。翔くん大好き」


少しでもこの気持ちが伝わりますように。そう願いながら抱きしめた。
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