先輩!
ふたば銀行本店営業部。営業フロア。銀行の顔とも言えるその空間に立ち、真新しいソファ、記帳台、サイネージ、それから…

インテリア部作成のCG通りのロビーを前に、隣にいる先輩のスーツの袖をぎゅ、と掴んだ。


「先輩?」

「ん?」

「感無量で涙が出そうです」

「耐えろ」

「だって、こんなに多くの人の手によって、ひとつのことが出来上がっていくんですよ?それに自分が関わってるなんて」

「関わってるじゃなくて、佐々木が中心となってここまで作り上げたんだよ。がんばったな」

「もー泣かせにかからないでください」

「あ、バレた?夜胸貸してやるからそれまで我慢な」


ぽん、と先輩が背中に触れる。
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