先輩!
「2年ごとに異動で、それも嫌でつまんねえなこの会社、転職もありだなって、そこまで思ってた」

「そうだったんですね」

「でも3ヶ月間の研修を終えて営業部に配属された子がめちゃくちゃかわいい子だったんだ。素直で健気で。でも社内だから手出せないな残念って思ってた。最低だろ?」

「黙秘します」

「その子ががんばるんだわ。俺や野口さんに営業ついて回って、いつも熱心にメモ取るわけ。ひらがなばっかりで」

「(先輩)」

「で、次の日それをノートに綺麗にまとめてくるんだよ。俺そこまでする新人今まで出会ったことなかったから、すげー印象に残ってる」

なんか恥ずかしいです。

右も左もわからず無我夢中で仕事覚えようと必死だった時の話だから。いまでも必死ですけど、今以上になにもわかってなかったから。
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