先輩!
「不参加で返事したの。だから先輩には言う必要ないと思って」

「不参加?」

「うん」

頷くと、先輩が怪訝な顔をする。


「なんで?元カレがいるから気まずい?」

「そういうのじゃないです」

「あまり世話になった先生じゃない?」

「ううん、3年間担任でした」


そうなのだ。今回定年退職される先生は、友達と同じようにレオメイ夫妻呼びをしてくるくらい仲が良かった先生なのだ。

テスト前は放課後に補習してくれたり、とても生徒思いでお世話になった。

さらに、卒業してから初めての大掛かりな同窓会なので、ちゃんとしたホテルの大広間を貸し切って行われる。

卒業以来会ってない人もたくさん参加予定なので、ぜひ行きたいという思いはあるけど、行かない。


「めちゃくちゃ嫌いな奴が来るとか?」

「ううん。そんな人いないです。先輩もうこの話はいいじゃないですか」

「良くないだろ!」

先輩が苛立ちをあらわにした。初めて怒鳴られて、怖くて。

震えそうな声を必死に抑え、先輩に思いを伝えた。
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