先輩!



【翔くんもうすぐ家に着くよ】

【今日も盛り上がりすぎだろ。大丈夫か?迎えに行こうか?それで俺ん家来る?】

【ありがと大丈夫。今日は自分の家に帰るよ】

【了解。家着いたら連絡して】

【うん。今日もビデ通したい】

【しよ】

【じゃあまた連絡するね】

【気をつけろよ】

【はーい】


スマホをバッグにしまい、マンションまでの通い慣れた道を急ぐ。駅からそう遠くないし、街灯も明るく店も多い。でも夜道はやっぱり不気味で、どこか怖くて苦手。


マンションの手前の角を曲がると、暗闇の中、赤いライトがぐるぐる光を放っていて、眩しくて目を細めた。

原因はマンション前のパトカー2台。

私の住んでいるマンションの目の前に止まっていて、夜遅いというのに、辺りには人だかりができていた。

その普通じゃない様子から、何らかの事件が起きたのでは、と不安で緊張が走る。

マンションに近づくと、「近寄らないでください」と警察官に足止めされた。
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