先輩!
玲央と同棲をしていた時は、初めての料理でうまくいかずに落ち込むこともあった。1人で暮らしているときは、修行だと思って料理を作っていた。

でも今は全然違う。


先輩に食べてもらえると思うと料理が楽しい。先輩が「あれ食べたいな」とリクエストしてくれた日なんか、すごく頑張ってしまう。

失敗しても、美味しいと言ってくれて、絶対残さず食べてくれるから申し訳ないけど。


先輩は、いくら言っても家賃や光熱費を受け取ってくれなかった。

それならせめてもと、料理とほんの少しの家事をやらせてもらっている。


「さ、風呂入ろ」

「ちょっと待ってね。お湯はりするね」

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