先輩!
「大学時代友だちにもおすすめしまくって、みんな気に入ってイロチで持ってました。黒赤ボールペンとシャーペンと、1.2ミリの絶妙な細さの消える蛍光ペン。それなのに幅が太すぎなくて女性も持ちやすい。これ開発した会社で働くことが出来て夢みたいです」
「大げさだな。幅ってボディーな」
「ボディーって言うんですね。開発部の研修で、この大ヒット商品の試作品から完成までを見た時興奮しちゃいました」
大きな目を輝かせている佐々木が、メモ帳にボールペンの絵を描いて“ボディ”と書いた。屈託のない笑顔が最高に可愛い。
笑うと真っ白な肌が少し赤く色付く。真剣な顔で俺の話を聞いている横顔も否のつけ所がない。
ヤバいなこれは。社内じゃなかったら全力で落としたい。
それ作ったの俺だよって言ったら驚くかな。
それで社長賞もらったんだって言ったら、俺のことどう思う?
だせえから自分からは言わないけど。