先輩!
「先輩、ご相談なんですけど」

「先輩?」

「あ、すみません。さん付けでした」

大学時代の癖ですみません。と申し訳なさそうに謝る佐々木。


「いいよ先輩で」

「いえそういう訳には行きません。社会人ですから」

「何どやってんだよ。じゃあさ、俺も佐々木って呼び捨てしていい?佐々木さんってサが多くて言いにくいんだよ」

「はい。全然呼び捨ててください。あの、じゃあ久保さんだけ先輩って呼ばせてもらいますね。ありがとうございます」


いちいち可愛いんだよなこの子。擦れてないというか、素直だ。


『俺だけ』脳内で反芻(はんすう)して特別感喜んでる俺なんだよキモ。

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