先輩!
3. ただの上司と部下
「最近佐々木元気ないと思いません?」
「そうか?」
俺は自分の中ではほぼ確信めいた思いがあった。野口さんも当然同調してくれると思っていたので、肩透かしにあった気分だ。
メンターの報告書には、仕事について不満なし。プライベートは変わりなしと書かれていただけだった。
「どう見てもおかしいでしょ。ため息ついたり、ぼーっとしたり。あいついままでそんなことなかったし」
「さすが佐々木さんのことよく見てるな」
「なんか腹立ちますねその発言。俺本人に聞いたんですよ。何かあったのかって。そしたらあいつ、ちょっと夏バテ気味ですって誤魔化すんですよね」
「本当に夏バテなんじゃないのか?体力なさそうだし、鰻でも食いに行くか」
なんかこの人ずれてんだよな。と思わなくはないが、それいいな。