先輩!
「彼女がいるんだけど、女友達と2人で飲みに行ったのがバレて振られそうなんだ。謝っても許してくれないんだけどどうしたらいいかな」


だいぶ酒が回ってるのか、今にも泣き出しそうな顔をしている。


「自業自得。そんなの自分で解決しろよ」

「久保さんもーまじでヤバいんですって。久保さんどう思います?モテ人生で培ってきたノウハウをご教授くださいよ」

「知らねーよ」

「やっぱり先輩モテるんですね」


佐々木の前でこいつ変なこと言い出さないだろうな。

と懸念したことはすぐ現実になる。



「浮気がバレた時どう対処してました?」

「浮気なんかしないって」

「でも久保さんサイクル短いですよね。ひっきりなしじゃなかったですか?もしかしてセフ」

「横山!」


佐々木の顔に『最低』って書いてある。最悪かよ。どうやったらその文字消せる?


「俺の名誉を守るためにこれだけは言わせろよ。浮気二股、そういうのは主義じゃない。バレたらダルいだろ」

「そうなんですね。すいやせんした」


酔っ払いかよ。

ヘロヘロと頭を下げ、テーブルの角で頭を打った横山。派手な音がして佐々木が心配する。

ほっとけ。


佐々木の耳に不要な情報を入れた罰だ。

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