先輩!

4.好きの種類が違う

じめじめと雨が鬱陶しい6月。

佐々木が営業部に来てから1年が経過しようとしていた。


「久保ちゃん」

俺はパソコンで報告書を作っていた。顔を上げると当然野口さんがいた。この人が俺をこう呼ぶ時は、大抵佐々木絡みの話がある。

顔には満面の笑み。元々ふくよかだった野口さんは、彼女と同棲を始めてからまるまるとしてきた。


「佐々木さんの誕生日知ってる?」

「知ってますよ。当日夜メシ行く約束してます」

「やだ。抜かりない男。これだからモテ男は」


今日はなかなかのハードスケジュールだった。

野口さんとの雑談や、野口さんのフォルムに癒しを感じる自分がいる。
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