先輩!
向かいのデスクに座り、ノートパソコンを立ち上げた佐々木。

始業準備をしながら「先輩」と呼ばれ「ん?」と顔を上げると、笑顔を向けられていて胸が跳ねた。


「今夜行きたいお店がやっと決まりました」

「なにどこ?何系?」

「ざ、居酒屋。その名も『鹿児島屋』」

「渋すぎん?」


確かに、「予約必須のお高いお店は選びません」と言っていた。

言ってたけど。


「穂乃果さんと行った映画の帰りに見つけたんです。そろそろ焼酎の美味しさがわかるオトナ女子になりたいです」

「いや佐々木酒弱いやん」

「オトナ女子になりたいんです」

「 繰り返したな」

「強調してみました」
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