先輩!


古巣の先輩に問い合わせたら、試作品はまだ保管されているとの事だったので、佐々木が好きそうな1本をいただいてきた。

開発者は俺だ。そのくらいの職権乱用は許されるだろ。


「先輩もしかして、このペン作った人ですか?」

「気づくの遅すぎな」

「えーーー!!凄いですっ!」

「騒ぎすぎだって。大事に使えよ。なくしたらもうないぞ」

「凄すぎて使えません。でも使いたい」

「使って欲しいからあげたのに」

「大切に使わせていただきますね。ありがとうございます。ほんっとーに嬉しいです」

「ん」


思った以上に喜んでもらえて素直に嬉しかった。

佐々木が喜んでくれる顔が見られるなら、毎日でも贈りたい。
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