先輩!
誕プレのくだりから1時間も経たないうちに、オトナ女子になりたいと豪語していたやつに異変が起きた。


佐々木は酔ったら顔つきがエロくなるらしい。大きな瞳に熱が浮かぶ。とろんと、力の抜けた顔。色気何割増だよ。


俺このままじゃ確実に欲望に負ける。


俺たちは今たまたま空いていた個室にいて。そこがまた薄暗く狭い上に隣に並んで座るスタイルで、佐々木との距離が異常に近い。

俺が意識的に身体が触れないように座っているおかげで触れてないようなもんで、何度も何度も半身が重なった。


「酔ってんな」

「わかんない。ふわふわします」


佐々木は焼酎の水割りが美味しかったと調子に乗って、呑み比べしたいと言い出し、ロック2、3杯で常に涙目の瞳はとろんと色香が惜しみなく放出されている。
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